発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2015-02-02から1日間の記事一覧

Q.ヴォイトレのメニュが多すぎて、どれをすればよいのかわかりません。☆☆

A.多くの人が細かくいろんなメニュを求めてくるので、そういうものをいろいろとつくって、部分的な対処をするのがヴォイトレのようになっています。しかし、本当はもっとシンプルです。私のでいうと「ハイ」や「アー」という一声がきちんと出せたら、発声…

Q.イタリアの発声は前に、ドイツの発声は奥で出すのですか。☆

A.確かに、国や言語における違いはありますが、私はそのように教えられて喉を押したり、こもらせたり、張ったり、落としたり、掘ったり(これらはイメージ語です)して、バランスの悪いまま、それでよいと思っている人をたくさんみてきました。 ここでは、…

Q.日本の声楽と邦楽の声を比べて、どう思いますか。☆

A.個人差が大きくあることは別にしてみます。歌では、さまざまなジャンルや分野、尺度によって比較もしようもないので、声としてみています。声そのものに関しては、一部の熟練の声楽家を除いては、邦楽の方が豊かかもしれません。少なくとも歌唱せずとも…

Q.なぜ、昔の役者や歌手の方が大きな声が出るのですか。☆

A.第一に、昔の歌手や役者の条件は、大きな声が出ることだったからです。音響技術の悪いときに、声が届かなくてはいけないので、アナウンサーから歌手まで、応援団のような大声訓練をしていました。プロの基準とトレーニングは、声量本位でした。生活でも…

Q.声楽家の声や話し方がふしぜん、つくり声のように聞こえます。☆

A.声楽家にもよると思います。欧米の感覚で日常生活も通そうとしている人、オペラ歌手では、日本に住んでいても、すぐに舞台に対応できるように、渡欧時の感覚や発声を通している人もいます。特に勉強中は、意図的に偏向させているので、ふしぜんにみえる…

Q.日本の伝統的な発声は、歌に使えないのですか。☆

A.日本の伝統的というときに、それが邦楽の発声であれば、一般化はされていないので、芸事にもよります。ただし、そういう発声と今の日本人の声との距離は、西欧の発声よりも遠いかもしれません。 生活の中の声を含めるとしても、ここ50年で、かなり声の環…

Q.そもそも、欧米人とは発声以前に耳が違うのではないでしょうか。☆

A.言語も違うと耳も違います。乾燥した風土で石造りの壁に囲まれていると、否応なしに声を出したときに共鳴に親しむことになります。室内に声がどう響いてくるのか、そこから感じながら自分の声を話しています。日本人には経験しにくいことです。

Q.きれいな歌声と説得力のある歌声について教えてください。☆

A.日本人の声楽や合唱が、前者を目指しているなかで、私は芯のある声での後者をより上位に置きます。ただし、ここでの説得力というのは、役者が力任せにせりふを言う喉声ではありません。せりふ、ことばの発音は、理想の共鳴からみると、それを妨げるもの…

Q.ことばを言うときに、芯のある声で響かしたいのに、喉を締めてしまいがちです。☆

A.これは、たくさんの観点を含んでいます。まず、せりふと発声(声楽や歌唱)との違い。響きからみていくと、浅く集約された共鳴に対して、深く集約された共鳴をよしとします。「芯のある」はそのための中心軸感覚として、よい意味に使っています。深く胸…

Q.声づくりということばは、しぜんに声を出すのに誤解を与えませんか。☆

A.声づくりは、つくり声ということではありません。しぜんに声を出すのに、しぜんな声というのを、どう定義するかによって、よいとも悪いともなるように思います。たとえば、しぜんに出していて、しぜんに聞こえない声が、しぜんに聞こえるようになど。よ…