発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.ヴォイストレーナー選びの基準は、どういうものですか。

A.人間好きあるいは、人間やそれを取り巻くことに興味をもつ人、悪いところよりもよいところを見つける力のある人でしょう。これの欠けているトレーナーは採用を見送るようにしています。どんなのに頭がよくて理論知識があっても、人と長く、10年どころか2…

Q.「すべての人にとっての名ヴォイストレーナーがいない」と言われているのは。

A.それは、何であれ、人間の関係に基づくからです。相性もあります。人との関係ですから時間がかかります。そういったものは縁や運でもあるのに、それを理論や考え方の違いで否定するのは、目先や欲に囚われているからです。 先人なくして今の私たちもあり…

Q.効果について、それをどのくらいで捉えたらよいのでしょうか。

A.少しの効果を大きくとらえる人もいれば、ほとんど感知しない人もいます。これは、どちらかということでありません。一見すると、前者がよいようですが、大げさに喜んで満足してしまう人もいるし、より高い目的に、気を緩めずに邁進する人もいるからです…

Q.聞いているだけでも身につくものは。

A.たくさんあります。確かに、10回聞くよりも10回歌ったほうが実践的です。でも、プロが3回聞いて歌う方が、あなたが100回聞いて歌うよりもレベルがはるかに高いでしょう。プロが3回練習して歌う方が、あなたが1000回練習して歌うよりも上手なのです。 …

Q.一人で書くだけではつまらない。

A.私の研究所宛にメールで投稿してください。また、自分の書いたものを、私の研究所のサイト上のものと比べてみてください。これらは、勉強の材料として載せています。これよりもよい文章が書ける人は、けっこうな勉強になっているはずです。(♭)

Q.研究所では予習復習が必要ですか。

A.研究所では、レッスン受講生に、毎回レッスンの感想を書かせて、フィードバックしてきました。今は10名余のトレーナーの全てのレッスンの感想と報告を照らし合わせてみています。伸びる人は、分析も文章もやはり独自のものを持っています。 最初から絶対…

Q.ヴォイストレーナーは、スポーツマンがよいのですか。

A.トレーナーは、身体感覚、相手の身体を自らに重ね合わせて移し替えるのですから、スポーツや武術のような体験があるとよいでしょう。チームプレーなどでの一体感、一丸となって、意識だけでなく、体も共有したような体験が欠けてきているように思います…

Q.自分の体について、よくわかりません。

A.人の体や感覚は、みえるものでないし、予測通りに働くものではありません。30代早々に原因不明で腰を痛めた私は、そこの整形外科医に「こんなこと長年で初めてです」と言って「人の体は毎年どころか毎日違う、何事も初めてなんだ」とたしなめられました…

Q.勘がよくないと思うのですが。

A.器用さ、忍耐力(ハードワークへの体力、聴くことへの集中力)、精神力、知力、勘などが大切です。直感についての研究をしましょう。これは感性と経験の総合力のようなものです。情報や理屈に振り回されているのに気づかないこと、特に科学…数学、統計…

Q.声も、その専門家に学ぶのがよいのですか。

A.専門的に声や喉そのものに詳しくてもアンバランスで本質がみられないと、あまりよいアドバイスはできません。私はいろんな分野で経験もし、研究や執筆もしてきました。日本人は、マイスター好みで、何でもやるような人は低くみられます。しかし、本当の…

Q.主治医は必要ですか。

A.喉のために病院に行くこと、そして、主治医をもつことは、よいことと思います。病院にも紹介もしていただいている研究所では、病院の大切さを知っているから、大いに活用しています。しかし、病院というのは、病いの気に満ち、病気になる人、なりやすい…

Q.レッスンに求めるべきものとは。

A.ドイツの心理学者クルト・レヴィンは「場の理論」を提唱しました。レッスンや方法よりも、場の空気が、人を変えるのには大切なものと思っています。ここに通っているだけで、その空気があなたの考え方、行動、雰囲気をよい人生に活かせる方向にいくこと…

Q.喉はよくなったけど、発声はよくなくなった。発声はよくなったけど、歌はよくなくなった、せりふはよくなくなったように思います。☆

A.これは、よくあることなのです。その時にどのような基準で判断するのかは難しい問題です。歌はうまくなったがプロでなくなった。歌は売れるようになったが、よくなくなった。歌はよくなったが、バンドは解散した。こうしたことなら、もっとたくさんあり…

Q.メンタルを主とするヴォイトレとは。

A.メントレは、本来、厳しい練習に耐えるために行われるものなのです。それが、いつしれず、練習の代わりに行われ、結果として、精一杯の努力や練習をして可能性を最大限に高める前に、なあなあにレッスンで、己の才能のなさを自覚して諦めているようなパ…

Q.声についてのキャリアとは。

A.声は、すべての生活、仕事に関わるものですから、声ということだけを専門としてしか勉強しないのでは、何事にも対応できません。ビジネスマンがくるなら、ビジネスのことも知っておく方がよいし、会社勤めなどの経験もある方がよいし、主婦や子育ての経…

Q.体調の悪いときは、どうしたらよいでしょうか。

A.この時期、気候変動も激しく、体調管理が難しくなりますね。細心の注意をはらっていても、風邪に悩まされるという人も多いかと思います。同じ日に3~4人「風邪をひいてしまった」という人がいました。今回の風邪は非常に長引くようですし、流行り出すと、…

Q.練習の目安についてお聞きしたいです。毎日どのぐらい、何年ぐらい続ければプロになれますか?

A.これは、その方がこれまでにどの様な素地があるか、どのような実力があるかにもよります。私が今まで見聞きしてきた話を申しますと、ある世界的なオペラ歌手(マリアカラスの同僚、ニューヨークメトロポリタン歌劇場で歌うようなレベル)は一日6時間を4年…

Q.自分の今の声についてアドバイスを受けたいのですが。☆☆☆

A.私は、「もっともよい声と、もっとも悪い声と思うものを、サンプルとして持ってきてください」と言っています。ここで、必ずしもその両極がすぐに出せることは、よほどのプロの人でもない限り、ありえないからです。声楽家や音大生でもなければ、普通は…

Q.会ったときに声を聞くと、すべてがわかるのですか。☆

A.私は、必ず、声を出してもらったあと、「今の声はどうですか」と聞きます。そこで、「充分歌えました」と言う人も稀にはいますが、大体は「緊張しました」「少し出しにくかったです」と答えるものです。そこで「いつもと比べてどうですか」とも聞きます…

Q.習ったよい声で歌おうとして、うまくいきません。

A.うまくいくように時間をかけて習得していくのが、トレーニングです。(♯)

Q.最近の若いトレーナーをどう思いますか。☆

A.最近は、医者と同じく専門分化して狭くなってきたため、誰をも、直感を基にみて治していた村の名医のようなトレーナーは育ちにくくなっています。最初からヴォイトレの理屈や正誤に凝り固まっているようにも思えます。理論や知識の勉強では、よく学んで…

Q.ヴォイトレは、声を直してよくするのですか。☆

A.声を直すのと声をよくするのとは、本当は異なることです。また、声をよくすると、芝居のせりふ、歌い手の歌をよくするとも異なります。声を治すのは、医者の役割でした。喉を壊したのを元に戻す、器質的な障害への外科的なアプローチに近いものは有効で…

Q.声とメンタルとの関係は、どうなのでしょう。☆

A.心、メンタルは発声については大きい問題の一つです。体調不良、不定愁訴などは声に影響します。病院では異常なしと判断されます。私たちがみても、原因のみえないことは少なくありません。まして、気分の浮き沈みの大きい人なら、継続的にみていかない…

Q.名曲を聴き込むためのリストづくりとは。

A.1日10曲のペースで1ヶ月聴いていくと(300曲)、そこから20曲(もしくは20のフレーズ)を選び、12ヶ月繰り返せば、1年で240曲(240フレーズ)入ることになります。そこから20曲選んで、さらに2年間は聴いてみてください。これらを一か月に20曲ずつ覚…

Q.曲を聞いてレポートを書くとは。

A.ことばにして始めて、分析ができ、曲の本質がつかめます。自分に必要なトレーニングをみつける手立てとなります。レポートを書きましょう(提出先は、巻末P にあいます。投稿ください)。このようにして言語化する必要性は、「『言語技術』が日本のサッ…

Q.たくさんのアーティストが歌っている同じ曲を歌って比べるとは。

A.歌に関しては、自分のものの判断や批評は難しいものです。好きな歌を好きに歌えたら、よしとしてしまうからです。しかし、誰でも他人の歌に対しては、少しは客観的にみることができるものです。そこで、のど自慢や歌番組の審査員になり切ってみましょう…

Q.他人のノウハウだけでは、教えられても、本当には身につかないのですか。☆☆

A.すぐれた芸術家は芸術作品を生み出すにあたり、その方法論を自ら創り上げる努力を怠りません。むしろ、作品がその方法論の産物にすぎず、方法論こそがアーティストとしての偉大な創造物であったといえるのです。発明家のグラハム・ベルの「最大の発明は…

Q.自分に合ったメニュを教えてください。☆

A.自分に合ったメニュ、自分に当てはまるかという判断の前に、トレーナーが試みる方法や実績を上げたというメニュの、本当に効果のあったものが取り出されていること、さらにそれが、他の人に正しく使われ効果を上げたことという2つの壁があるわけです。仮…

Q.声楽などにも、共通の発声法やヴォイトレは、確立していないのですか。☆

A.人間本来の治癒力を大切にする医師、アンドルー・ワイル博士は「一人の患者さんに効く治療法は、その人だけに効くのであり、他の患者には転用できない」と述べています。さまざまな相手や事例に接していくにつれ、何が最善のやり方かは、人によって大き…

Q.トレーニングでの問題回避とは、どういうことですか。☆

A.回避したケースでは、結果として、次のようになるのでよくわかります。1.耐久性、タフな声にならない。2.応用ができない。せりふや芸に使い方を自由自在にできない。本当に自由にできるのは天才ですから、ここでは、狭い範囲にしかできないと。例え…