発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2016-01-01から1年間の記事一覧

Q.発声の基礎を身につけるとは、どういうことでしょう。

A.お腹から深い呼吸と声が出ること、体に声の響くことでの身体性の取り戻しが必要なのです。(♯)

Q.これまでの発声を忘れるように言われました。

A.全身で声の響きを感じることがスタートです。赤ちゃんや動物の声と体のストレートな関係というのを取り戻すのです。(♯)

Q.トレーナーの声をしっかりと聞くだけで自信がつくと言われました。

A.他人の声を聞くのは、その発信源である他人の体を感じることです。自分の身体から他人、他人の世界から自分の世界に存在感を確かめることが生きる力、自分を無条件に肯定する力となるのです。(♯)

Q.呼気の筋肉の働きは総合的に働くそうですが、実際はどうなのでしょう。☆

A.次のように分けられます。 1.内肋間筋 肋骨下げ、胸郭小さくする 2.腹直筋 胸骨下げる 3.外腹斜筋 第4~12肋骨下げ、腹腔内圧上げる 4.内腹斜筋 腹腔内圧上げる 5.腹横筋 腹腔内圧上げる(♯)

Q.障害になりかけているので、喉の力を抜けと言われました。☆☆☆

A.過緊張性発声障害は、力で喉を詰めた発声でなります。声帯や仮声帯の内転のしすぎ、喉頭蓋と披裂部の接近しすぎなど、首や肩にも力が入っていることが多いです。発声法の間違いやメンタルにも関係します。(♯)

Q.痙攣性発声障害と言われました。☆☆☆

A.SD(Spasmodic Dysphonia)の大半は、内転型ADSD(Adductor SD)です。声の途切れ声やふるえ、喉詰め発声で、声、喉、息に苦しさが見られます。声帯の内転に過緊張があるわけです。 最近は、医師からの紹介に、(喉頭での)ジストニア(不随意運動)と記入して…

Q.声で喉が痛くなる原因は何ですか。

A.およそ、次のようなことです。 長時間出す。 大きく、力んで、力づくで出す。 高く出す。 早く、早口で出す。 かすれた声で出し続ける。 騒がしいなかで出す。 汚れた空気のなかで出す。 乾燥したなかで出す。 喉の渇いているのに出す。 咳払いをする。 …

Q.呼吸筋について知りたいです。☆

A.吸気の筋としては、横隔膜、外肋間筋、補助として胸鎖乳突筋、斜角筋(前・中・後)、 呼気の筋としては、内助間筋、補助として腹筋(腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹膜筋)も関わります。(♯)

Q.なぜ、腹式呼吸でお腹が出るのですか。☆

A.横隔膜の収縮でお腹が出るのは内臓が押し下げられるからです。このとき胸郭の下は左右に拡がります。それに対して、胸郭の上の方は前後に拡がります。外肋間筋が関わっているのです。(♯)

Q.F1、F2…といったフォルマントについて、具体例で教えてください。☆☆

A.共鳴周波数は、声道を17㎝とすると、Fn=(n-1)34,000/4×L F1=34,000/4×17=500、以下、計算するとF2=1,500、F3=2500HZとなります。(♯)

Q.トレーニングに入るまでに、どうすればよいのでしょうか。★

A.こちらは、理論を理解してもらい、指針を明らかにしていきます。 本人には、声の管理と学ぶための行動を習慣づけてもらいます。さらに、実践したことを修正しつつ、トレーニングを重ねていきます。(♯)

Q.声を出すときに痛みを感じたら、どうすればよいですか。

A.まず、安静にする、つまり声を使わずに休ませることです。 次に原因を探ります。しかし声の乱用は防ぐようにしましょう。悪化させないことです。 音声の専門医、ヴォイスクリニックか、そういうことに詳しいヴォイストレーナーのところに行きましょう。…

Q.ヴォイトレの必要性とは何ですか。☆

A.ヴォイストレーニングは、世界の一流の歌手や役者の誰もが持つ、声についての基本的な力を体に習得させていくものと思います。環境や素質に恵まれていなかった人にも力をつけられるように、必要な条件を確実に手に入れていくための判断や感覚を伴うトレ…

Q.声をどのようにみて判断されていますか。☆

A.私は、次の要素で声をみています。 1.その人の持つ元々の声 (生来的な声、初期条件、筋肉や骨レベル) 2.発声、共鳴の技術、条件としての獲得された(鍛えられた)筋肉、状態として使いやすくなっている筋肉、およびそれを活かした使い方 3.表現力…

Q.ヴォーカリストをみるときには、どうですか。☆

A.声をみるの以外に3つの要素が加わります。 1.声のもつ楽器レベルでの完成度と、その人の感覚としての音楽性、音楽的効果 (歌唱力) 2.声のフレーズとしての力と作詞、作曲も含めたアレンジ力 3.ステージパフォーマンス力(♭)

Q.音声障害は、どう判断するのですか。☆☆

A.声の質、高さ、大きさ、持続の4つをチェックしてみましょう。かすれたような声は、声の質に含めます。ただし、その他にも高音や共鳴の障害(鼻声など)とは別です。一般的に見て、わかりやすいのは、胸鎖乳突筋が出る、首に筋が立つ、咽頭が上がる、など…

Q.ヴォイトレの方針は、どうあるべきでしょう。

A.大きくは、2つです。 1.元の声を探ること(しぜんな声) 2.どういう声にするかを決めること(その人自身にとって可能な限りの理想の声)(♯)

Q.嗄声の種類について教えてください。☆☆

A.専門的になるので簡略化してお答えします。 1.かすれている声―気息性breathy 2.ガラガラ声(ザラザラする)―粗糙性rough 3.絞り出す声―努力性strained 4.弱々しい声―無力性asthenic (GRBAS評価) 最長発声持続時間(MPT)も重要です。 次のよう…

Q.喉で男女の違いはどのくらいありますか。

A.咽頭では、男性は声帯、長さ1.6倍、発声時間(呼気持続)で男性30秒、女性20秒など、あるデータによるとで、これが全てではありません。(♯)

Q.ベルヌーイ効果の定理とは、何ですか。☆☆

A.ダニエル・ベルヌーイ(1738年)による1/2ρ(Vの二乗)+P=k(一定) P=流体の圧 ρ=流体の密度 V=流れの速度 流体の速度が減れば圧力が高まり、増せば圧力が低くなるという法則です。(♯)

Q.呼吸の仕組みを科学的に一言でいうと、どうなりますか。

A.呼気により声門下圧が高まり、声帯が開きます。次に、その反動とベルヌーイ効果で声門は閉じます。そのくり返しです。(♯)

Q.バランスをとるのに力が入ります。

A.バランスをとるとは、固めるのでなく、アンバランスに対応できる力をつける、しなやかに緩やかに安定させることです。(♯)

Q.正しい姿勢というのを知りたいです。☆

A.仰向けで両膝を立て、足を肩幅に開きます。腰とフロアの間に手の平が入る隙間があればよいです。肋骨の下の方がくっついていますね。それを保ちます。次に立ってみて、背を壁につけたてチェックしてください。(♯)

Q.人が声を手に入れて失ったものはありますか。☆

A.最大のリスクは、咽頭腔が広く、呼吸と飲食の通り道を共有するために誤嚥しやすくなったことです。披裂軟骨が小さく声門閉鎖も力も強くない、これらのおかげで発声発語に有利になりましたが、なんと話すことのために、生きることのリスクを高めているの…

Q.練習しても上達しません。

A.練習したつもりでできていないということです。(♯)

Q.姿勢を保つ筋肉を知りたいです。☆

A.体を支える抗重力、胸鎖乳突筋、脊柱起立筋、僧帽筋、腹直筋、腹斜筋、腸腰筋、大臀筋、大腿四頭筋、下腿三頭筋などです。(♯)

Q.体幹トレーニングの目的は、何ですか。☆

A.体幹トレは、手足のコントロール、重心をブレなくするのです。腹直筋はアウターマッスル、腹横筋、腹斜筋はインナーマッスルです。(♯)

Q.腹筋が割れるのは、どうしてですか。

A.お腹の前を縦に走るのが腹直筋です。縦に白線、横に3~4本、腱画が走っています。そこは、鍛えても変わらないので割れて見えるのです。体幹筋も節に分かれていて、その筋分節を仕切るのが、筋間中隔です。マグロなどのサクの白いスジです。コラーゲン(…

Q.日本人の体の特徴とは、どういうものでしょう。

A.背中や腰、尻の筋肉が日本人は弱いせいか、後ろ姿がさみしい人が多いように思います。外国人は剛、日本人は柔。猫背姿勢、円背(えんばい)となり、腰が丸まる。骨盤後傾になりやすいのです。(♯)

Q.ロコモとは、何ですか。☆

A.ロコモティブシンドロームは、運動器症候群(2007年、日本整形学会提唱)です。一言で言うと、運動機能の退化です。「ロコチェック」をしてみるとよいでしょう。刺激の入らない筋肉は衰えていくのです。(♯)