発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Q.高い声で喉を絞めないためには、どうしたらよいですか。

A.高い声が苦手な人によく見受けられる質問です。高い音を出すときに喉を絞めたり、喉にギュッと力を入れてしまったりする方がいますが、それでは、一瞬声が出たとしても、その声に美しさや伸びがないと思います。また倍音がなく、響きとしての美しさも損な…

Q.数人でヴォーカルアンサンブルをするとき、パートはどのように決まりますか。希望通りにならないことがよくあります。

A.こういったパートの分担は、希望が通らなかったり自己評価と異なったりすることも多々あり、思っていた分け方と異なると「あの人より自分が劣っているのか。」と気になることもあるでしょう。でも単純な優劣の問題ではないと思います。 私なら、こんな感…

Q.自分の言ったことをよく聞き返されてしまいます。声にも自信がなく何をどう直したらいいのかわかりません。

A.声を聞き返されるという人に多く見受けられるのは「息が弱い」「息が浅い」ということです。本来、声は息の流れに乗って出ていくので、息が弱ければ(浅ければ)当然ながら声も前に出にくくなります。本人がそれを自覚していないだけで、聞き手にとっては…

Q.朗読になると急に声が喉に引っかかる感じになります。

A.「喉に引っかかる感じ」という表現はよく耳にします。その状態というのは、息が減ってしまうために喉で押してしまう、それによって喉の摩擦を感じる、という場合がほとんどです。ですが今の段階で、発声では声が出しやすい、というのがとてもよい点です。…

Q.低音域を統一して出している、代表的な歌手は誰ですか。

A.クラシックでは、それが一流の条件の一つでした。フランチェスコ・タマーニョ、エンリーコ・カルーソ、アウレリャーノ、ペルティーレ、マリオ・デル・モナコなど。([E:#x266F])

Q.「合唱団」ってどういうイメージですか。

A.「合唱団」とか「声楽」というのをイメージとして、別の意味で使うこともあります。個性が埋没して、マニュアル化された口の開け方や発声で、歌をオートマチックにこなしている、表現力やインパクトがない、など。「合唱団」あるいは、アマチュアの「声…

Q.発声、せりふ、歌唱は、ヴォイトレが必修とされるほど難しいのでしょうか。

A.走ることは誰でもできますが、競技として走るレベルに達するのは、学校のクラスで足が速いだけでは難しいですね。走るのと速く走るのとは違い、技術がいります。たまに天性の人もいますが。([E:#x266F])

Q.抑揚について、言語と音楽面とどちらを中心にしますか。

A.何となく日本では、ポピュラーは言語の抑揚、クラシックは音楽的抑揚を中心に思われているかのようです。そうでなくとも、一方に偏り、その逆ができず、弱点になっているケースが多いです。私は役者型のヴォーカルには、音楽面で期待できないので、こと…

Q.出しやすい声から始めるのはなぜですか。

A.声は共鳴し、さまざまな動きや音色をとれることを、先に出やすい声で充分に学んで欲しいからです。([E:#x266F])

Q.最初に出しやすい声=理想の声ですか。

A.そうとは限りません。中途半端に出しやすいだけで、必ずしも正しくないので、後に正す必要があることも多いです。特に「ア」や中音域についてそういうことはよくあります。扱いやすい分、ずっと雑に浅くなっている人も多いのです。([E:#x266F])

Q.スピリチュアルは、精神的な教育に使えるのですか。

A.音はハーモニー(ハルモニア)、調和を表します。音は人をつくるとされ、精神教育に使われてきました。アリストテレスは、模倣で精神教育となると説き、プラトンは、それを偏重しすぎると軟弱化、神経質になることを述べています。どちらも当たっていると…

Q.音の世界と、世界や宇宙の関係について知りたいです。

A.プラトンの「国家」の「エルの神話」で、セイレーンの8つ、声での惑星音階(scale、scala、階段、はしご)をプトレマイオスが太陽の軌道と音階12の音の対応で試みます。(ハルモニア論)それは16Cのケプラー(ケプラーの法則)に引き継がれ、その後、ニュート…

Q.宗教と音楽の関係は深いのですか。

A.神道と音霊、柏手、本坪鈴、アニミズム、シャーマンから祭祀まで、何から何までつながっています。 私も、石笛、横笛、尺八の名手をそれぞれに知っていて、いろいろと学ばせていただいています。([E:#x266F])

Q.歌うときに手で片耳を塞ぐのはよいのですか。

A.こうすることで「内側の音」を増幅して聞くことができるので、いい声に聞こえて安心できるのでしょう。でもこれでは本当の声がわからなくなる上に、耳を悪くしてしまいますので、やめた方がいいです。それよりも、他人が聞いている「外側の音」に耳を澄ま…

Q.支え(アッポッジョとソステーニョ)について知りたいです。

A.指導者からよくでるワードの一つに「支え」という言葉があります。支えというと、ふんばったり、重いものを持ち上げたり、倒れてきそうな何かをささえたりという印象です。「お腹」「丹田」など、基本的に下腹部や下に向かうベクトルが多いように感じます…

Q.下あごを固めて止めて歌っているといわれます。

A.下あごを固める癖のある人は結構いらっしゃいます。私自身も、歌を始めて間もないころは下顎に力が入り、先生によく注意されていましたし、下あごはもうないものと思ってくださいと言われたことがあります。 下あごに力が入るということは何かしらの支え…

Q.朗読になると声が詰まる感じになります。

A.発声も朗読もどちらにも共通することは、息の流れによって声が左右されることです。発声では音程やリズムが、朗読では抑揚や感情が入ったりなどしますが、いずれにしても息が流れていないと声は進みにくくなります。その結果として、声が詰まると感じられ…

Q.トレーニング前の声のよしあしは問題ですか。

A.トレーニングで大きく変わる人もいますし、変わりやすい声もあります。しかし、普通に聞いて、トレーニング前なら、よい声であれば有利、悪い声(この場合は不快な声)は不利とは言えます。([E:#x266F])

Q.歌い手に有利な条件は何ですか。

A.聴く感覚、声のよさ、独自性、個性と表現力、意志と健康(体力とその管理)、ルックス、気づく力、学ぶ力、したたかさ、創造力、パフォーマンス力、勇気、性格など多様です。([E:#x266F])

Q.声が、その音にうまくヒットしません。

A.声のあて方で凌ぐのはよくありませんが、最初は仕方ありません。一方で、曲の聴き方、音をメロディの動きでイメージできる力をつけていきましょう。発声やヴォーカリーズを無理のない範囲で少しずつ慣らして拡げていきましょう。([E:#x266F])

Q.音楽的な素質は、聴く感覚での判断ですぐれていることですか。

A.それは必要な条件ですが、充分条件ではありません。楽譜が読めたり、暗譜できるのはよいことですが、歌手であれば歌唱上で必要な聴く感覚と、読む込む感覚があればよいのです。一般の人にみえないところまで入れ込めなくては、それ以上の世界を表現でき…

Q.話す能力があれば、歌えるのですか。

A.歌には、話よりも広い声域、声量と、音高、音程のとれる音感、リズム感が必要です。キーボードならミスタッチしなければ、正しい音が出ます。しかし、歌は管楽器、弦楽器以上に調律の耳がいります。さらに、厳しい音声のイメージ能力が必要となります。…

Q. 歌手には、天与の歌声というものが必要なのですか。

A.声はよいのにこしたことはないですが、変えることもできます。また、声以外に重きを置いて作品やステージをつくることはできます。([E:#x266F])

Q.音と宇宙の関係はどうでしょう。

A.「往古来今これを宙といい、四方上下、これを宇という」(淮南子=えなんじ)で、宇は、空間宙は時間を表します。古代の中国では、老荘思想が、宇宙と音楽の関係に触れています。この宇宙を天地と置き換えると身近になるでしょう。 日本人なら神社で雅楽を…

Q.音楽が数学といわれるのは、なぜですか。

A.ピタゴラスは、いくつかのハンマーの音の違いから重さとピッチに関係のあることに気づきました。そして、竪琴(リラ)の弦でその長さとピッチとの関係を捉えます。その比率が整数倍になるというのをみつけました。 長さが半分で1オクターブ高くなる1:2、…

Q.音を出すことに関心があります。

A.声や楽器の音だけでなく、宇宙、万物、人間にも音はあります。人体の音もです。耳で聞こえなくても波動で感じられるのです。人の体の中にも、いろんな音、周波があります。([E:#x266F])