発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

06.声量/フレージング/シャウト

Q.発声では大きい声を出そうと思って頑張っていますが、どれくらい大きい声を出したらいいのですか。

A.私自身は「大きい声」ではなく「しっかりした声」という表現をしています。恐らく他のトレーナーもやみくもに「大きい声」を出してとは言わないと思います。自分の中でいつのまにか”発声=大きい声”という概念ができてしまっていたかもしれませんね。そう…

Q.フレージングをつけて歌えるようになりたい。

A.フレージングを作りやすくするには、日本語の感覚で音楽をとらえずに、外国の曲、たとえば英語やカンツォーネの曲で練習していくとやりやすいと思います。 どうしても、日本語は単音節の連なりで言葉が構築されているので、八分音符の羅列のような単調な…

Q. 棒歌いになっているのを直したいです。

A. 一つ一つの音符を正確にとらえて歌えるようになってきたということなのかもしれませんが、そのような歌い方ですと、音楽に抑揚がなく、まるで棒のような音の連なりになってしまいます。フレーズの中にある音それぞれには言葉がついており、大切にすべき…

Q.声量はどのようにして増していくのですか。

A.共鳴させ、より大きくすると声量になります。質をよくするところに、コントロールするのが最終目的です。小さな点を絞り込んで、きちっと集めていくようなイメージが望まれます。

Q.ポップスは、マイクがあるから声の大きさはいらないのではないですか。

A.マイクで補われるために声量はいらないと、犠牲になることも多いようです。しかし、声量は、実力をアピールできる要素の一つです。説得力もマイクの入り方も違ってきます。理想は、声量、声域、長さ、それぞれの総合力でみるものなのです。しかし、現実…

Q.軽く歌うことのメリットとは何ですか。

A.音を重厚に響かせずに、軽めに歌うことでフレージングが進めやすいというメリットがあります。一音一音しっかり歌っていると、それぞれの音の充実感はあるかもしれませんが、音が流れるように進みにくいです。軽めに歌うことでそれぞれの音符が次に向かう…

Q.声量の限界とはあるのでしょうか。

A.あります。トレーニングで最大に出せる音量以上のものが、せりふや歌のなかで出てくることはありません。声のパワーをつけたければ、声量の最大レベルを捉えていくトレーニングとしてやっていきましょう。(♭б)

Q.音が止まっていると言われます。

A.歌えてくると、だんだん音一つ一つを明確にして歌わないといけないと思い込んでいる方、音がつながってレガートにならない方、音が一つ一つ止まってしまう人がいらっしゃいます。 考えられることは、音符を見ながら歌っているため、その視覚的印象を忠実…

Q.音に段がついていると言われます。

A.音階練習をしていると、音を一つ一つ区切って階段をつけて上行下降させて歌う人がいらっしゃいます。これは喉の中で、何が行われているかというと、声帯が滑らかに次の音を作るのではなく、一回一回離されてまたくっついてという作業を繰り返しています。…

Q. 音の高さによって、変わらない声を出すことはできますか。

A. これには太く強く大きく、音色を統一したベースの声が必要です。さらに、もう一つ、ことばを伝えるためにことばでフレーズを成り立たせ、その伝達力を失わずにメロディを処理することです。 外国人の歌い手が日本語で歌うのを聴くとよくわかります。イン…

Q.フレージングについて知りたいです。

A.フレージングは、句節法、句切り法で、フレーズの切り方、フレーズの作り方です。文章上の区切りでなく、その文意を伝えるために効果的に区切る方法、ないしは伝え方ということになります。人の心を動かすためには、句読点に忠実に話せばよいというもの…

Q.フレーズ感を持って歌いたいのに音が止まってしまいます。

A.日本語の曲の場合は一音節に一つの音符がついているか、その音符が少し長くなているというのがほとんどなので、結果的に、音が一つ一つぶつ切れのようになってしまうのは仕方ないことかと思います。しかし、そのぶつ切れになりやすいフレーズをいかに、き…

Q.がんばれば大きな声が出ますか。

A.がんばることは、必ずしも悪いことではなく、むしろいろいろとよいことを招いてくれることもあります。声に関していえば、多少がんばることは、発声関連の器官が少しずつ強化されることが少なくないので、レッスンでの確認をしつつ、推奨することの方が多…

Q.フレージングが上手くなるには。

A.声がある程度出るようになって来たら、歌をうまく聞かせたい、表現力を身に着けたいと思われるのではないでしょうか。 多くのトレーナーは「フレージング」という言葉で曲の表現力をつけていくように指導していると思いますが、このフレージングをうまく…

Q.音が棒のように伸びていてフレーズ感がないといわれます。

A.声がある程度出てきて安定してきたら、次は表現力を求められます。しっかりと声を出そうと訓練してきたら、音をしっかり支えようという意識も働き、音が棒のように、ただまっすぐ伸びてしまうかもしれません。訓練の段階ではそれでもよいのですが、そこか…

☆Q.欧米人はなぜ歌でシャウトするのですか。

A.向こうの歌い手はしゃべるように歌います。シャウトして吐き出すようにしても歌いあげているようにならないのは、感覚に基づくものなのです。これは、私たちが聞いているときには、かすれて低く歌っているように聞こえるのです。しかし、合わせて歌って…

☆Q.フレーズでの練習法を知りたいのですが。

A.向こうの人なら、「つめたい」はtumetaiでmeかta、後ろから2つ目か3つ目に強アクセントをつけます。taiにつくと、tumeは、あいまいに弱く、taiに巻き込まれます。(tume)taiで、aiは、a+iでなく、aiで1拍(二重母音)です(日本語では、タア+イの…

Q.声を前に出すには、どうするのですか。

A.ポイントは、普段話しているときの声のポジションが役に立つということです。普段のトーンで「あ」と発音した時の声は、歌っているときの声より前に感じますか、それとも後ろに感じますか。大抵の人が普段の声で発音するほうが、前のほうに感じると思い…

Q.音を力強く出したいです。

A.歌うときの身体の感覚はどのようになっていますでしょうか。お腹、おへその周り、下半身から足、地面にかけての意識はどのようにありますでしょうか。 喉元だけで声を出して、ヘロヘロした声になってしまう人、もしくは喉だけで力んで声を出してしまって…

Q.声がでれば方法は問わなくてよいのではないですか。

A.結果的に声がでれば何でもいいと思っています。人によってはマスケラを意識するようアドヴァイスもしますし、鼻に集めてという人もいます。喉を下げるようアドヴィアスもしますし、呼吸、顎の位置、発音、支えでもアドヴァイスします。 しかし、問題は単…

Q.ダイナミックに歌いたい。

A.しっかりとお腹で支えられた声で歌うことも、大きなボリュームの声で歌うことも、ダイナミックに歌える要素の一つではありますが、ダイナミックに聞こえる方法として、曲想をどうとらえて表現するかということも大事な要素になると思います。 大体の人が…

Q.外国人のシャウトの声をまねると壊しませんか。

A.続けてハードにそのまま真似すると、のどを壊す人も少なくないでしょう。しかし、現実に彼らは壊していないのだから、それが間違っているとはいえません。私たちがF1レースに出て勝とうとしたら、死ぬでしょう。プロレスでも同じかもしれません。しか…

Q.パワーは、大きな声からですか。

A.大きな声というのは、誤解されやすい表現です。必ずしも大きな声が遠くまで聞こえるわけではないからです。ですから、私は、通る声を目的にしています。つまり、ヴォイストレーニングを通じて、得るものは「通る声」であるということです。どんなに弱く…

Q.日本人の歌がパワーを失ったのはなぜですか。

A.たとえば、鼻声くらいの声量の歌も、扱えるようになったということなのです。昔は向こうのパワー(プロ=日常のパワー)にあわせようとしていたのが、日本人のローパワー、ローテンションでも、作品化が可能となったということです。これは、しぜんとい…

Q.歌っていて、フレーズの最後まで踏ん張りがきかず、歌いきれません。

A.呼吸のための筋肉をもっともっと鍛える必要があるようですね。 フレーズを最後まで支えきれない方は、息を吸うときに使う筋肉と、吐くときに使う筋肉を鍛えていきましょう。 普通に息を吐き、吐ききったらさらに、おなかをあと3センチ中に引き入れるよう…

Q.声の改革のために、どうするのですか。

A.声についてのあらゆるごまかしや不鮮明なところを白日にさらし、バランスを崩してでも真の問題点を顕わにして、解決のための課題を鮮明にしていくことです。声以外に、アーティストのオリジナリティや表現とも絡むこともあるので、すぐにわからないとき…

Q.声のパワーが弱いといわれます。どのような練習をすればよいでしょうか?

A.訓練の重要性、必要性はトレーナーから懇々と聞かせられていることと思います。声のパワーを付けていくのには、一朝一夕で成し遂げられるわけもなく、やはり日々の訓練が必要になると思います。もしあなたが、強い声帯、合わさりやすい声帯、隙間が開きに…

Q.大きな声で歌えとは、どのくらいで歌うのですか。

A.人に聞こえるように、大きくです。ただマイクがあれば別です。心地よく聞こえることは、大きさでなく音色の動き、強弱などのコントロールです。ときには、バンドの音量を抑えるべきです。(♯)

Q.ハスキーヴォイスでシャウトしたいのですが…。

A.ハスキーな声もシャウトも、プロの声には芯が見えます。つまり、息の線でしっかりと演奏しているものに音色(声)がついたといってもよいでしょう。楽器としてののどの確保と使い方はできているのですから、他人の声の音色や出し方そのものを真似るのは…

Q.メリハリをつけるトレーニングとは。

A.歌のなかでメリハリをつけるための基本的な練習です。声を弱く出し始め、徐々に強くしていきます。そして、少しずつ、また弱くしていきます。途中で息がなくならないように、うまく配分しなくてはなりません。息がコントロールできないと、うまくできま…