発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q22:高音と低音は、どのくらいの割合で取り組むべきでしょうか。

A:低い声は、のどをしめたり、声帯に負担をかけず比較的、体から声を出すという感覚をつかみやすいです。しぜんに使っているところに近いからです。高音も、本来はバランスが違うだけで、同じ原理なのですが、日本人はなかなかそのイメージや感覚がつかみづらいようです。体が動けば声が出るという感覚をつかむために「ハイ」ということばで芯をつかむトレーニングをしましょう。そのようなトレーニングで、だんだん音を上げていけばよいのです。

高い声が自分のトレーニングになっていないときは、自分の出しやすい音域を百発百中、確実に出せるようにすることの方が大切です。できることがより確実にできるということが将来の力となり、次のステップになるのです。基本を常に繰り返すことが勉強です。しかし、基本ばかり繰り返していると、基本が何のためであり、どこへいくのか方向性がわからなくなる人がいるので、調子のよいときに高音に挑戦してみたり、応用をやってみて、先の感覚を感じることも必要です。

調子の悪いときに、低い音のところも確実にできないのに高音をやるからのどにひっかかり、全くトレーニングにならないのです。トレーニングは積極的に試みなければなりません。どんどん新しいことを取り入れていけばよいですが、一方で、ベースのことを半分はやることです。ベースに戻る部分を「型」としてもち、毎日トレーニングして感覚に結びつける作業は必ずするようにしましょう。型と応用とバランスのよいトレーニングを心がけてください。そうしないと、自分のフォームもできあがりません。できることを大きくすること。それが、器を大きくする方法なのです。