発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q313.客に伝わるには、どのように歌えばよいのでしょうか。またどんな練習が必要ですか。

やはり、何にしても、心とか魂が感じられるもの、ということはいえると思います。あなたが歌う理由、その歌の中で問いたいもの、そこにお客さんがいたら何を自分の価値として提供するかという、それによって決まってくると思います。

それとともに、それを高めていくということは、伝わるようにどう作るか。また、そのことよりも、まず自分が作ってみること。その上で、ここの部分が伝わらないと思ったら変えてみる。全部伝わらないなと思ったらその曲はやめる。そうやって試行錯誤していくことが大切です。

自分はこの曲でことばを大切に伝えたいということであれば、そういうスタンスが決まってくる。そうしたら、それを伝えるためにどうするかという問題に落ちてきます。何でもやればよいということではありません。

伝えたいことがないと言ってしまえば、誰だって本当に伝えたいことなど、どれほどあるのかとなる。その辺は歌い手、そういうものを作っている人をみた方がよい。衝動、勢いで理由などなくやっている。では、なぜ自分は歌っているのか、なぜ勉強しているのかということになってきます。客が見えないときというのは、難しいですから、相手を想定するということが第一だと思います。ただ、相手が見えなくてもやらなくてはいけないときもある。その辺をあまり考えすぎると、なぜそれを歌でやらなくてはいけないのか、歌でなくてもよいのではないかとなってきます。

今はやりたいことをやっていく。それが伝わったかどうかというのは、あとで誰かがそれを評していうだけのことです。伝わったかどうかということを、最初から考えずに、歌を突き放すことも大切です。その人がやりたいことを思いっきりやって、一生を駆け抜けていくことだと思います。

誰もがやりたいことというよりも、やりたくなくてもやらされてしまう場合もあるでしょう。いわゆる業みたいなものかもしれません。

歌い手も、客がいようがいなかろうがやっていく人はやっていくし、伝わったとかどうかは関係なしに、やらざるを得ない状況の人たちもいます。そういう中で何を選んでいくかということだと思います。自分が勉強しなければ、相手に突っ込まれてしまう。そういう意味では、自分が勉強せざるを得ない状況になるということです。