どうやってものを見るか、優れている作品とは一体何なのか、それに対して自分は何ができているのかということを問うと、日本では全ての人がわかっているどころか、わかろうともしないのです。そういうことを考える必要があることを伝えるので精一杯です。そのことを見ないうちに発声練習をしても、歌を何曲覚えてみても、意味はないのです。
仲間内で歌うのならそれもよいかもしれませんが、それ以上のものを5年も10年もかけて作ろうというのであれば別です。自分を知るために、世界を知らないと仕方ないのです。他人も知らないとできません。自分だけ見て、自分だけ頑張っていて、一人でやりますと言ってみて、できるなら誰でもやっています。