鼻でないと吸えないと、ことばで思っている人は多いだけで、実際に歌になったとき、鼻だけで吸えるかといったら、そんなことではないわけです。体が動いたら息が入るということです。鼻から入るか口から入るかなどは、どうでもよいことです。吐いていたら入るわけです。体内の呼気圧が低くなり、空気が吸い込まれる。息も口も両方、開いているとしぜんと入る、鼻からばかり吸っていたら鼻がつまったり、風邪のとき、どうしましょうか。歌えなくなりますね。
ここに、プロの民謡歌手の方がいたのですが、「先生から鼻で吸って口から吸ってはいけないと教わりました」といっていたのに、「よく見たら、やはり先生も口で吸っていました」といっていました。トレーニングのことばと実際が違うことはよくあります。ことばでの限界です。ことばそのものではなく、その端々から感じたことを自分のためにうまく役立てることです。