発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q991.声量を無理に上げなくても良いとしても、「マイクに頼りすぎる」という状態になることはないのか心配です。マイクを扱う機会が少ないですが、実際にはマイクを通して人に聞いてもらうことが多く、「声量を上げない」ということが、やや飲み込みきれず腑に落ちない点があります。 発声の基礎を学んでいる段階では、声量について気にすることはない、ということでしょうか。

A.基礎をやる段階としてフォルテ(強く)で練習する事は間違いではありません。しかしここで間違えてはいけないのが、どなった声はフォルテではないという事です。一番後ろの席まで豊かに響いてくるのがフォルテです。しかし力まかせにどなっている声は、自分では精一杯大きな声で歌っていても側鳴りしていて、自分には大きく聞こえても、近くの人にしか聞こえず、後ろのお客様には聞こえないのです。その上、声帯にも負担が大きく、「百害あって一利無し」です。豊かなフォルテの声と側鳴りのどなった声は全く違うのです。