演技でいうと、たとえば、泣く演技というのを最初やるときは、号泣から入るのです。思いっきり泣きまくる。皆さんもやってみればいいと思います。怒るというなら、全身を使って、駆けずり回って怒る。何がそんなに憎いのかというほどのことをやっておかないと、目ひとつとか口ひとつで、怒りや悲しみを伝えることはできないです。役者は顔だけで悲しみを伝えている。それを真似てやることはできないです。というのは、その目の皺ひとつのところにも、全身の怒りを結びつけた経験がなければ、そこだけ動かして、怒りの目を出すことはできないですね。結びつける経験を積むのがトレーニングです。