発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1075.客観的な能力をつけるには。

 トレーナーが必要なのは、客観性です。私も自分の能力は信じていますが、限界も知っています。ですから、科学的なことでの研究は他の分野の方たちとやっています。根本的に磨くのは、自分がどう感じるか、周りの人がどう感じるかということです。自分が感じるだけではなく、ライブを聞いているお客さんの中で何が起きているのか。若い人が集まっているライブで、一番後ろで見て、自分は感じなくても、客がどういうふうに動かされているのか、感じてみます。ここに来る人は、私に歌うわけではありません。自分より年齢の若い人や同じ世代に歌う人が多い。10代の人に、こちら側の発声観を押し付けてもだめなのです。
 トレーニングで間違うことはなくとも、トレーニングのために狭くなってしまっていることも多い。トレーニングというのは、視野を広げるためにやるわけで、難しくするためにやるのではなくて、歌を自由にするためにやるわけです。その自由さがなければ、堅苦しくてたまらない。