A.イタリア語で「顔」という意味です。英語ならマスクです。具体的には、顔の頬や軟膏蓋を意識してください。これも、共鳴を意識させるときに使われる言葉で、頭部共鳴とひとつです。鼻腔共鳴とも共通しており、鼻根部に声を当て「マスクの中へ歌う」といわれます。この声の当て方の本格的なやり方は、声帯の中にある筋肉の本体、つまり緊張筋を働かせることです。このときは声帯は伸展させ全長にわたって声門が閉じ、振動しています。また、鼻腔は開かれており、甲状軟骨は前下方に引かれ、いわゆる発声器官が「開いた」状態になっています。
しかし、このマスケラばかり意識をしてしまうと、声帯内筋の慢性的な強調過度から、過度に「金属性」あるいは「鼻にかかった」音色の狭い声になってしまうことがあります。ただ、地声発声よりははるかに喉に負担は少ないので、ハミングから感覚をつかみ、「顔」に響かせる感覚を持つようにしてください。(♭Π)