発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q1609.お腹を使った声とは、どんな声でしょうか。

A.歌うとき、のどを使って大きな声や、長い時間声を出し続けると、声帯に非常に負担がかかります。そこで、声を使ってもなるべく負担がかからないように、お腹を使って声を出さなければなりません。お腹を使った発声かどうかは、ウの母音を使うとわかりやすいです。それは、ウの母音は、アやイにくらべ、口の中がたてに広がっていて、お腹を使っていないと、非常にのどが苦しいか、アやイのように平べったい発音になってしまいます。声は、息がないと出ません。その息を声の出る器官(声帯)に送るのがお腹ですから、お腹を使うということが、どれだけ声に影響しているかわかると思います。

 お腹を鍛えるには、まず腹筋が必要です。しかし、歌う時に使う腹筋は、歌う動きをしなければつきません。先ほど、声は息を送ることで出るといいましたので、息の練習をすると、お腹も鍛えられるし、声もよくなります。なるべく長い時間、息をスゥーーーーーーッと吐きながら、なるべくお腹がしぼまないようにしましょう。すぐにお腹がしぼんでしまうと、あっという間に息が切れてしまいます。お腹は、しぼんでしまうのは当たり前なので、そのしぼむのを遅くしようとすると、お腹に力を入れます。しぼむのを防ごうと、お腹の内側から広げようと力が加わります。これこそ、お腹を使い、息をきちんと送っている動作なのです。息を吐けばお腹を広げるのはお腹が非常につかれますが、その代わりのどにかかる力を軽くしてくれるのです。(♯§)