A.そう歌ったらうまいのはわかるが、もっとこういうことに気づいたらいいとアドバイスします。素人のお客なら「クラシック出身でうまいですね」と感動するでしょう。でも私は根本的に違っていると思います。「こうしてみたらどうですか」と、もっと自然にもっと力を入れないで、もっと技術を見せないで、もっとたくさん伝えることはできるのではないか、という可能性をみていきます。
ただ、多くの場合は、こういうレベルになるのに5年以上はかかります。必ずしも声楽をやったら自分のものが出てくるわけではないのです。ストレートに最初からまっすぐ行く道もあるわけです。
自分のものを知って、出していくことです。欲をいうのであれば、そこまでの感性や世界があるのであれば、さらに声のことをしっかり扱えるようにしていけば世界に出れるかもしれない。どのアーティストも、まだまだやるべき課題があります。ここにはそういうことを学ぶシステムとして機能させているのです。