A.高い音になると多くの人が叫んで大きな声をだして歌っていますが、その音をp(小さく)で歌えますか?ほとんどの人が歌えないのではないでしょうか。大きな声でしか歌えないというのは技術不足です。高い音でf(強く)でしか歌えないのでは、表現の幅が減ってしまいます。
何よりも高音を上手く歌うためには、ppの技術は必要不可欠です。ある音域から声を抑制させなければいけなくなってくるのですが、大きな声を出しているだけでは、この技術を得るのは難しいです。声量を落とし、顎を引き、口を開けすぎないことで見えてくる技術だからです。歌劇団のプリモテノールのMさんは稽古前に抑制する音域をpで丁寧に訓練していました。パヴァロッティもpで歌う訓練を常に行っていたといいます。叫んでばかりでは正しい声の道は生まれてきません。(♭Σ)