A.声を勉強する上で肉体的な知識は知っておいて困るものではありません。日本ではあまりやられませんが、欧米では音大の授業の中に解剖学があります。当然、喉周りの筋肉や器官の勉強もするわけです。何故、甲状軟骨(喉仏)は男性女声で形がちがうのか、実際喉を開けるというのはどういうことなのか、共鳴腔とはどこをいうのかなど以外に、教える側ですら曖昧な部分が沢山あります。
例えば「肺は広げて」という教え方をする先生を多く見てきましたが、実際に肺は心臓のような収縮運動をできる器官ではないので、そんなことはありません。イメージの問題ですが、肺を広げろといわれると、力んでしまうパターンの方が多い気がします。実際の働きを知らずにイメージだけで指導するのはよくありません。でも、自分の体のことはよく知っておいたほうがよいでしょう。(♭Σ)