A.声楽家が良い声を出している時の感覚とは、実際に世界でも指おりの一流歌手を狭い部屋で聴くととてもわかりやすいと思います。マイクで拾っている声をモニターから再生させて出る声と、真横で出ているのを実際に聴くのでは、とても大きなズレがあります。重要な点を幾つか出すと、まず脱力の凄さを感じます。決して力づくではないのに遠くに伸び上がっていくような感じがします。
次に、発音の明瞭性です。決して舌や唇、表情筋をガチガチにはせず、空気の流れにのって響く有声子音と適度な緊張感の切れ味のよい破裂音が聴こえてきます。そして、響きの場所です。声が共鳴体の中に残りすぎている声は、一流の声ではありません。一流の声は、中ではなくて外に声の存在する場所を感じるかのようです。(♭∀)