A.本番で緊張するということは、悪いことではありません。ある程度、緊張している状態で、集中力を高めていくことで、パフォーマンスの質がよくなるのです。しかし緊張しすぎて、手や足が震えてしまうことは、パフォーマンスに悪影響が出てしまいます。気持ちは緊張していても、体に影響が及ばないようにするためのトレーニングを考えてみましょう。
体を中心に声を出していくことです。のどではなく、腹式呼吸を行い、お腹からしっかり声を出していく。上半身はリラックスさせ、お腹を集中心とした下半身から声を出していくことが大切です。これをトレーニングの集中で、体に覚えさせていくのです。体から声を出す習慣がつけば、少々緊張しても、声に影響はありません。
緊張を取ってしまうことが、一番いいのですが、なかなかそうはいきません。少々の緊張は必要であるからです。緊張を取るのではなく、緊張に慣れてしまうことです。本番やオーディションの回数を増やしていき、場数をこなしていくことで、徐々にその状況に慣れていくことと思います。
もしそういった機会が少ないのであれば、本番の緊張したイメージを作り出し、その集中で練習していくことも必要です。イメージトレーニングですね。お客さんや審査員の方々が目の前にいることをイメージしたり、舞台に立っている自分をイメージして、その状況で練習していくのです。そしてこの状況に慣れていくのです。
またこういった緊張した状況でのイメージトレーニングとは別に、もうひとつ、体と心をリラックスさせてから、本番のイメージをする方法もあります。心を波立たせないで、静かな気持ちになり、その気持ちのまま、本番に臨んでいるイメージをしていくのです。これを繰り返していくうちに、本番でもリラックスできるようになってきます。
本番前に緊張している時は、必ずと言っていいほど、息が止まっているのです。もちろん呼吸が止まってしまっているのではなく、息を吐くことを忘れてしまっているのです。息が吐けないことで、吸う息も少なくなってしまいます。体の集中に息が取り込めないために、酸欠になり、緊張が高まってしまうのです。
本番前には意識的に息を吐くことに集中していきましょう。体をリラックスさせて「スーー」「スーー」と何度も繰り返し、息を吐いていきましょう。
集中してどれだけ自分の世界に入れるかが重要です。その世界に入れることで、その世界のことだけに集中し、雑念が浮かばなくなります。自分の気持ち、または役の気持ち、役作り等に集中していくのです。緊張するということは、緊張するということに集中しているのです。だからこそ集中するポイントが大切なのです。自分が作り出す世界に集中していきましょう。