A.自分の集中で作り出す、役の性格や設定等の役作りは、ひとつに限らず、あらゆることを想定して、何種類も作っておくことです。性格もひとつに絞らず、柔軟性をもたせて、練習を重ねていくうちに、まとめていくことがいいのではないでしょうか。そういった柔軟な態度で稽古している時に、演出家の指示が出たならば、そのつど対応できるはずです。ひとつに固めすぎて、対応できないことは、自分にとってもマイナスですし、演出の意図にそぐわないことも、作品にとってよくないことです。
もちろん明らかに演出家の意見が間違っていることもあります。しかし役者は、それをも含めて、自分自身で作り出した役というものを演じていかなければなりません。最終的に舞台上で勝負するのは、あなた自身なのですから。
柔軟な姿勢、スポンジのように吸収していく気持ち、こういったものを持っていることで、より素晴らしい役作りができるのです。