発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2587.究極によい声が出たときの感覚はどのようなものですか

A.私の声がとてもよく出るときの、首から上の感覚と声の感じ方について述べたいと思います。まず、舌の感覚としては舌の表面が上あごに引き込まれていくような感覚になります。上あごと舌の間の空間に空気が流れている実感がとてもあります。そのような状態になると、声は自分の体をすぐに離れていきます。
 昔、プロ野球のスピード記録を保持していた伊良部投手が言った言葉がありますが、「調子がいいときは、ボールを投げた瞬間に、気がついたらもうホームベースにボールがあった」という言葉です。マイクを使わないオペラの場合ですが、本当に調子がいいときはどんなに大きなホールでも、自分の声が気がついたら客席の一番奥にあるような感覚になります。このときの口の中の状態は、力が抜けて舌が空気によって引っ張られているような感覚になります。舌を意識的に動かすのではなくて、動かされている感覚になります。(♭∀)