発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2592.鼻の下を意識してとおっしゃったのはなぜですか。

A.ルチアーノ・パヴァロッティの幼馴染で、パヴァロッティと同様に世界的に活躍してきたソプラノ「ミレッラ・フレーニ」という方のレッスンを聴く機会が、3年前にイタリアにいたころにありました。フレーニ女史が最も言った内容として「喉はここ」と言って鼻の下あたりを指差すものでした。これは、マスケラ「イタリア語で仮面の意味」に声の響きがつねにあることにとても関与しています。
空気の通り道というものが実はとても重要で、例えば「ジ~」と音を伸ばす際は舌と上あごの間の狭い通り道だけを空気が通っていくとこのような子音が発音できます。口全体的に息を広げて流すと、Lの発音が可能になり、少し鼻にも通過させるとNの発音が可能になります。例えば、このNの発音は鼻に通り過ぎると鼻にかかった音になり、そのバランスが難しくなるものです。この、頭に響く道と口腔内で息をながすとてもいいバランスを取れるのが、鼻の下若しくは前歯の上あたりなのではないかと思います。(♭∀)