A.「何事かを成し遂げられるのは、強みによってである。弱みによって何かを行なうことはできない。」
「不得手なことに時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。無能を並みの水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を必要とする。」
「誰もが、自分の強みはよくわかっていると思う。しかし、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。」
以上は、経済学者ドラッカーのことばですが、歌や芝居や芸の世界でも同じようなことが言えるのではないでしょうか。その道を極めようとすればするほど、自分の弱点が気になってきます。その弱点がなければもっともっとうまくいくはずなのに、弱点があるばかりに上手くいかない。どうしたら克服できるのか。いろいろと弱点克服のために考えるはずです。
しかしドラッカーのことばにもあるように、弱点よりも「強み」を活かしていくことのほが大事なのではないでしょうか。弱点はもちろん反省の材料として把握し直していくのですが、それのみに時間を費やしすぎるのはよくありません。自分の「強み」を見つけ出し、それをとことん磨いていくことこそ王道なのではないでしょうか。
自分自身の強みを見つけ出すことは難しいかもしれません。自分で見つけ出せないのであれば、親しい人や先生・トレーナーから聞けばいいのです。客観的に見ていてくれている人はわかっているはずです。そういった人の意見も参考にしながら、長所を伸ばしていく努力をすることが大切なのです。
ドラッカーはまえがきでこのように述べています。「『行動指針』として読んでいただきたい。~本書を読みつつ「では、自分は何をなすべきか」を考えてほしい。」と。
さっそく自分の「強み」を見つけ出し、「強み」を磨いていきましょう。