発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2841.発声練習をしていて、音が高くなり、ある音になると裏返ってしまいます。原因は何でしょうか?

A.原因はいろいろ考えられますが、腹式呼吸の安定が足りないのではないでしょうか。お腹を中心に呼吸を行い、しっかり下半身で重心を感じて支えていきましょう。この下半身の支えがあることで、呼吸も安定し、音程も安定してきます。
また腹式呼吸だけの練習もしていきましょう。前腹と横腹を手で触りながら、呼吸を何度も繰り返していきます。取り込んだときには、お腹を少し緩め、内側からお腹を押すイメージで広げていきます。またその取り込んだ息を吐き出す際は、腹筋を息を吐くのと同時にヘコませてしまわないことです。キープしつつ、徐々にヘコませていきましょう。
フレーズのなめらかさも大切にしていきましょう。前提として、息をしっかり流し続けることが必要です。息を流し続けて、フレーズをひとつの流れとしてとらえていきます。息の流れがあることで、のどへの負担も軽減します。
またひびかせるポイントも探っていきましょう。頭部にひびかせていくことで、のどの力も分散します。母音によっても、ひびき方が違うのではないでしょうか。「イ」が出しやすい人もいれば、出しにくい人もいます。まずは自分が出しやすい母音で何度も練習していき、安定してきたら他の母音も練習していきましょう。
上記のように、高音を出すことの練習をしながらも、中音域・低音域が安定するように、基礎を積み重ねていきことが大事です。高い声を出したいという気持ちもわかりますが、急がば回れです。無理をせず、中音域・低音域を安定させていきましょう。