発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2846.「自然な声」=「魅力的な声」だと思うのですが、自然な声で歌うためには、体には負担がかかるものなのでしょうか?

A.自然な声で歌うことは理想です。その際の「自然」という定義ですが、まったく何もしないで自然ということではなく、鍛えに鍛えた上での自然なのです。技術的には、上半身はリラックスして、下半身から声を出していくことが普通にできるようになれば、自然な声に近づいてきます。
単純に力を抜けば、自然になるかといえばそうでもありませんし、また抜きすぎて音程が乱れてしまったりと、バランスが難しいのです。
歌っている自分自身が、一番自由に、思うように歌うことができれば、それが自然です。もし今のままで自由に歌えないのであれば、どこか不自然なところがあるのでしょう。その部分をトレーニングで鍛えていくことで、不自然さが直り自然になるのです。
肉体的にも精神的にも声を鍛えていくことで、自然な声を得ることができます。こうした声であれば、魅力的な声であることは間違いありません。
また自然な声ということを意識しないで、声を鍛えていくんだということに集中していけばいいじゃないか、という意見もあるかと思いますが、練習の段階でメニュを分けていけばいいのではないかと思います。自然な声を出そうと思ったほうが、リアルな気持ちの声が出るときもあれば、技術的にお腹から声を出そうと思ったほうが、自然な声が出るときもあります。使い分けることが必要なんだと思います。
またトレーニングは目的ではなく、自然な声・魅力的な声を得るための手段です。ですから、もしすでに魅力的な声をもっているのであれば、そのことに関してはトレーニングする必要はないといえます。