発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2890.カンツォーネを日本語で歌うとき、「き」や「る」など、はっきり声が出ていないように感じます。何か練習方法はありますか?

A.「き」や「る」、つまり「イ」「ウ」が出しにくいのだと思います。特に日本語での「イ」「ウ」はのどを詰めて発音します。ですからとても出しにくいといえます。
まずイタリア語でカンツォーネを歌うことで、母音のひびきを統一させていきます。イタリア語は日本語と同じ5つの母音で構成されています。また読み方もローマ字読みですから、とてもなじみやすいのではないでしょうか。実際にイタリア語の意味がわからなくても、イタリア語を発音していくうちに、声は深くなっていきます。
またイタリア語の「i」や「e」は日本語的にのどを詰めて発音するのではなく、「i」は「e」に近く、「u」は「o」に近い母音で発音していきましょう。そうすることで声はひびきますし、実際のイタリア語のひびきにも近くなります。
またカンツォーネの原曲を聞くことも大切です。自分が歌っているイタリア語と比べてみてもいいかもしれません。原曲から聞こえてくるプロの歌手の声の深さ、ひびきの深さを真似していきましょう。
イタリア語でカンツォーネを練習しながら、同じ曲を使い日本語でも歌っていきましょう。日本語で歌う際は、発音を重視してハッキリ歌うよりは、発声を重視して、深いひびきで歌っていきましょう。多少ことばが聞き取れなくても構いません。イタリア語で歌っていたときのひびきを活かしていきましょう。どうでしょうか?普段自分が歌ったり話したりしているときに使っている日本語のひびきと違っているのではないでしょうか。このひびいている日本語は音楽的な日本語なのです。この音楽的な日本語を身につけていきましょう。
また同一曲をイタリア語、日本語で繰り返し歌っていくことで、徐々にバランスが取れてくると思います。