発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q2916.ミックスヴォイスとアクートについて教えてください。

A.男性のミックスヴォイスは、実は声楽、とりわけ近代のオペラ歌手においては、これを多用することはよいとされません。アクートの高音のほうがよいとされます。ミックスヴォイスとアクートは、根本的に出し方が違います。昔の教会音楽や、グレゴリオ聖歌などは、いわゆるミックスヴォイスを使って高音を出していました。しかし、よりドラマティックな表現が求められる時代とともに、ミックスヴォイスは影を潜めて、アクートが一般的になりました。
ミックスヴォイスが裏声を混ぜるという感覚であるとしたら、アクートは中低音の響きの上により声を支えて高音を出すという感覚です。ですので、裏声を強化して高音を獲得した人は、アクートする感覚を掴むには、もしかしたら邪魔になるテクニックかもしれません。(♭∀)