A.常にいろいろなものに興味を持って、また観察し、考えていく中で、見る目・考える力を養っていけば、歌詞は書けると思います。何かに対して強く興味を示したり、思い入れがあれば、歌詞は出てくると思います。普段、ぼーっとしていては書けませんが、しっかりレーダーを張っていれば、いろいろなものが吸収され、インスピレーションも降りやすくなってくるのではないかと思います。
また普段自分が考えていること以上の歌詞は書けないと思います。自分のレベルでしか書けないので、そのレベルを上げるよう、努力する余地はあると思います。
まずはたくさん書いていくことが大事です。断片でも構いません。メモを取るなりして、たくさん書いていきましょう。そして自分が感じたこと、考えたことを大切にして、メモを取っていくことをお勧めします。断片的な文でも構いません。メモしておいて、後でイメージを膨らませていくのです。文脈のない思いでも構いません。たくさん書いてみて、その中からチョイスして、歌詞を作っていきましょう。
またそのときに、そのことばからイメージが膨らまなくても、しばらくそのことばを寝かせておけば、次に見たときに新たなイメージが思い浮かんでくるはずです。焦らずに、こういった作業を続けていきましょう。
メモできる体勢、声を録音できる体勢を常に作っておくことが大切です。今日の、この時間に歌詞を作ろうと思っても、なかなかその時間に作るのは難しいものです。時間を断片的に、また効率よく使って、歌詞作りをしていきましょう。
断片的に作っていくという方法を説明しましたが、この他に、自分の思いをダーッと書き、その文を削っていき、歌詞にしていくという方法もあります。
また読書する習慣を身につけることも大切です。自分の中に考える材料があれば、それだけインスピレーションも降りやすいのではないでしょうか。哲学書、宗教書、経営書、伝記と、さまざまなものを読んでいきましょう。そういったものから考える材料、知識を吸収していきましょう。
小説は、人それぞれの思いや考えを深く掘り下げて書いてあるものです。そういった人間描写を学ぶことができます。
詩を読んだりすることも大事です。歌詞といっても、詩であることに変わりありません。たくさんの詩を読んでいきましょう。
ニュースを見たり、新聞を読んだりして、世の中のことを知っておくことも大切です。その中から歌詞を書く際の題材を見つけることもできます。
いろいろなものから吸収していき、その中で自分がどう感じ、どう考えたかということが重要なのです。歌詞になる材料は、自分のまわりに満ち溢れています。その材料を使えるか、使えないかは自分次第です。見過ごさないように、つかんでいくことです。
また歌本(最近流行っている曲から昔の曲まで、何千曲と収録されている本)の歌詞を読んで、参考にすることも必要です。すでにできあがっている曲の歌詞ですから、とても参考になるのではないでしょうか。メロディーに乗せるためのパターンや法則といったものも読み取れるのではないかと思います。また勉強として、ある曲のある歌詞を真似して書いてみてもいいと思います。
またこういった歌本にはコードが書かれているものがほとんどではないでしょうか。こういったコードから、作曲の勉強もしていきましょう。またコードだけではなく、伴奏まで書いてある曲集もあると思います。そういったものから、伴奏のパターンを読み取り、アレンジの練習もしていきましょう。
いろいろ説明はしましたが、自分が歌詞を書きやすい状況作りが大切なのです。
結果として、イマジネーションだけで書いてしまう人もいると思いますし、実体験に基づいて書く人もいるでしょう。人それぞれやり方はあると思います。それだけ自由に書くことができるわけですが、より自由に書くためにも、材料を入れておくことが重要になってくるのです。