発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3429.オペラでは鼻腔に響かせないといけないと聞きました。

A.よく、オペラの発声は鼻腔発声だ、鼻腔に共鳴させるように、などといわれます。ベルカント唱法でも、「ヴォーチェ・イン・マスケラ(仮面の中の声)」の重要性は頻繁に言われます。ヴォーチェ・イン・マスケラでない声はたしかにオペラ歌手として一流とみなされない声です。パッサッジョ、アクートを正しいメソッドの上で発声すると、鼻腔に響きというものは感じるものです。しかし、鼻腔に響かせるということは、鼻だけに意識を持っていってそこに声を置こうとすることではありません。おそらくそのような意識を持って発声すると、子音の発音を正しく処理できなくなると思います。鼻腔共鳴は、上あごまでの息の道筋のベースの上に上乗せされるようなものだと考えてください。そして、正しい発声は、胸の方にも、頭頂部の方にも、後頭部、うなじの方にも、響きを感じるものです。