発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3454.歌やセリフのレッスンをして、自分の考え方や性格を変えることはできるのでしょうか?

A.感情表現をする前に、感情開放ということをします。これは演技をする前に行なわれるプログラムです。自分の心をまっさらにして、演技をする際の邪念(羞恥心や自己限定、自己疑念)を取り払うトレーニングです。

これは自分の考えや主張がなくなってしまうのかと心配になるかもしれませんが、そうではありません。人間というものは、生まれてから大人になるまでに、いろいろな養育、教育、環境等で、本来もっている純粋な部分が抑制されてしまっています。抑制された自分というものを解き放ち、本来のまっさらな自分に戻すことが感情開放の目的です。

たとえば俳優にはセリフという武器があります。そのセリフという武器を盾にして演技をしてしまいがちです。そうではなく、セリフを盾にするのではなく、セリフがなくても俳優としてそこに存在し、その空間を支配できることが大事なのです。

ですからセリフではなく、人間の本来もっている本性というものを出していくことが何よりも大事なのです。プロの方でも、セリフがないと俳優としてその場にいれなくなり、感情開放ができなくなってしまう方も中にはいます。ですからそれだけ感情開放というものは大事なのです。

そしてこの感情開放を身につけて、さらに歌やセリフで感情表現を豊かにしていけば、よい方向に性格も変わると言えるかもしれません。謙虚に素直に純粋に、自分を磨き、あらゆるものを吸収していき、人との壁を作らないように、気持ちを開放させていけば、必ず人として変わるはずです。

また実際に演技のプログラムとしてではなくて、気持ちを開放させるために演技の練習を使ったり、感情開放のトレーニングをすることもあります。いずれにしても、感情開放をすることで、気持ちは開放されて、より自由に感じることができるようになるのです。