発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3490.短調なスケール練習をなぜたくさん行なわなければなりませんか。

A.そもそもヴォイストレーニングは、「トレーニング」ということを忘れてはなりません。つまり、発声メソード、方法、感覚はとても大切なものですが、感覚や声を出す筋肉を自分のものにするには、スケール練習などでずっと声帯を運動し続けるということが大切であるということです。母音のトレーニングは何故そのようなことをするかというと、無声子音などによって声帯を近づける筋肉が緩むことなくずっと声門閉鎖し続けるというトレーニングなのです。身体の機能は悪くなくてメソードがうまくいったとしても、声門閉鎖する筋肉が追いついてこないと声を出す効率が下がり、悪い時は音が割れたり裏返ったりします。母音のスケール練習は面白くなくて短調な練習だと思います。ランニングに似ているかもしれません。基礎のランニングを怠ると、能力が下がるスポーツ競技が沢山あるように、スケール練習を怠ると歌の調子が悪くなるものだと思ってください。