発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3610.声は共鳴が多ければよいということでしょうか。

A.韓国人歌手や中国人歌手、たまに日本人にも多いですが、喉の共鳴腔を開け、非常に鳴りのよい響く声を出す歌手もいます。共鳴が多い事は、発声がよいということかというと一概には言えません。これらの歌手の歌を聴いて抱く印象は、「よく響くよい声だなあ!」

で終わってしまいます。響きしか伝わってこないともいいます。マリオ・デル・モナコやティト・ゴッビのような、メロディーが線で繋がる声では無いです。声の中身が伝わってきません。それは、やはり開けようとした声で、響き過ぎると、基音が無くなってしまうためです。この傾向が進むと、太くなり過ぎ、音程が無くなり、トレモロ(声の大きな揺れ)を起こす恐れがある。歌っている歌手が、自分の響きに酔ってしまったら本末転倒になります。響き過ぎる声は、一見凄いと思ってしますが、一流ではありません。(♭∀)