発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3636.胸の共鳴は必ず必要ですか。

A.例えテノールでも、胸の共鳴をキャンセルする歌い方をしてはいけないと感じます。割合の差はあれ、声門下までは、太いパイプで息を送るイメージだと、胸との繋がりがある声になります。それを声門から上で集め、圧縮する事で、完成します。首が、気圧で太く膨らむような感覚になりますね。この、胸からマスクにかけての響きや抵抗のバランスは、膨らもうとする身体のバランスに比例して、微妙で難しいです。

お腹だけが膨らもうとすると、表情が無くなり、響きが下がり、また、胸だけが膨らもうとすると、逆に胸の共鳴がキャンセルされて、マスクのみの浅い声になります。

喉を開けようとして寝ぼけたような声になるのも、まず胸との息の繋がりが弱くなり、マスクの響きも無くなるからだと思います。よいときは、予想以上に、息を吐く力が気管にかかる感覚になると思います。どんなに響いても、胸との繋がりをキャンセルすると、何となく覇気の無い、表情の乏しい、間抜けな感じになります。

(♭∀)