発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3664.くちびるを横にひろげることについて教えてください。

A.高音域を横にも縦にも大きく唇を開けるタイプは声に輝きと艶と、醍醐味があります。しかし、それは全ての歌手に適正なものではないと思います。比較的低音域の歌手や重いテノールがうかつにやると、段々と声が開いていき、パッサージョが開き易くなり、喉が閉まってきます。ある種、強制的に、それを回避する技術、形があり、少し地味になってしまうが、その形はパッサージョで声が開きにくく、その形で歌った後、しばらくは開けて歌っても調子良く歌えるメリットがあります。それは、唇を縦に開ける、あるいは縦に寄せる形です。ただこの形は、パッサージョでかなり苦痛が生じるので、かなりの筋力と客観性が必要です。特に上唇で声の抵抗を感じる。声が太く成りすぎたり、開いたりして調子悪い人は、手鏡で唇が横に開かぬように見ながら音階を歌ってみて欲しい。ただし、パッサージョで苦しい時に息を吐く力を緩めないようにしましょう。(♭∀