発声と音声表現のQ&Aブログ

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Q3697.頭声、胸声といわれるようになった由来についておしえてください。

A.19世紀初めくらいまで男性歌手は換声点より上の音域をファルセットで歌うカストラートであったために、古代ベルカントでは声区を二つに分け、低音域を胸声区、高音域を頭声区又はファルセットと呼ぶようになったのが始まりといえましょう。

一方、女声はほとんどの音域を頭声で歌いますので、これをファルセットとは呼ばず、むしろ高音域の頭声区を女声の実声区とし、低音域は胸声区と呼んでいる例が多く見受けられます。 なかには声区を1声区とするものや、36声区、無声区などの声区の分け方が見られますが、これらはすべて声区に対する印象や解釈によるものであり、現在最も使われているのはベルカントが提唱する2声区と、低音域の実声区と高音域の頭声の間に中声区を設けて、胸声、中声、頭声と分けたドイツ式と呼ばれる3声区が主流となってきました。(♭∀)