発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3759.プロの歌手とはどのようにあるべきでしょうか。

A.例えば、何かを人に伝えたいという思い、特に、喜怒哀楽の感情を表現したいという強い思いの継続が、人間の発声器官と言語能力を、ここまで発達させてきたのではないかと思っています。だから、歌う時にも、この原点に返る必要があるのです。人間の発声器官は、ただきれいに歌うために作られたものではありません。しかっりと発音をして、何かを、喜怒哀楽の感情を伝えようとしないと、発声器官は、本来の力をなかなか発揮してくれません。ただ、口先で発音しようとするだけでは駄目なのです。例えば、「私は嬉しい」と言っても、本当に嬉しいという気持ちで言わなければ、人には伝わりません。泣きそうなほど悲しいのに、口先だけでいくら「嬉しい」と言ったって、聞いた人は信用しません。何も考えないで、感情を伴わないで「嬉しい」と言ったって、ロボットが言っているようで、無機的に音が鳴るだけです。誰でも、日常生活の中では、嬉しい時には嬉しい気持ちで、いかにも嬉しそうな声で「嬉しい」と言えるのです。

日常生活では、誰でも名優のようなものです。ただ、それを意識して客観的にコントロールしてできるのが、プロの俳優であり歌手だと思います。(♭∀)