発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3760.声のポジションはどこにおくべきでしょうか。

A.声を出す前に、出した声を送り出すイメージ上の空間を準備することが必要です。そのイメージの空間の準備ができる前に声を出してしまうと、声は行き場を失い、顔の表面や口の周囲、下顎、のど、胸部などで止まってしまい、聞き苦しい開放感のない声になったり、こもった声などになりがちです。苦しく、疲れやすい発声になってしまうのです。私は声を出すことを、よくホースでの水撒きにたとえるのですが、ホースで水を撒く時には、蛇口を捻る前に、出た水の行き場を確認し確保しておく必要があります。それを怠って安易に蛇口を捻れば、放出された水は、近くの人にかかったり、干してあった洗濯物にかかったり、時には自分自身をも濡らしかねません。その水の行き場に当たるのが、上顎から鼻の周囲、頬骨にかけての空間が、より前方に立体的に拡大していく発声の位置・発声のポジションです。(♭∀)