発声と音声表現のQ&Aブログ

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Q3798.お腹から声が出るとはどういうことですか。(3)

.「お腹から声が出る」というのは、一般的にまず、大きな声が出ているということです。そして、しっかり喉にかかっているということです。ここで、間違えてはいけないのは、喉だけでリキんでいないこと、そして、充分に喉にかかっていて、かかり過ぎてはいないことです。つまり、何の無理もなく、大きな声が出ているように聞こえることです。(喉を使わず、喉にかけずに、ある程度大きな声が出せても、それはどうしても、ふぬけた声に聞こえてしまいます。)

さて、これは一般的な、お腹から出ている声です。これが、歌手になると、少し事情が変わってきます。大きく変わるわけではないのですが、主に女性では、喉にかけない声も、お腹が使えていれば、お腹から出ている声になります。特に、オペラ歌手の女性は、半数以上が、喉にかけない声で、喉にかける声のほうが、少数派かもしれません。また、最近のポップス界の男性も、高音ばやりのためもあって、喉にかけない(かけられない)声が、多いようです。

では、お腹から声を出すのは、どのようにすれば、できるのでしょうか?文字どおり、お腹から、お腹でいきんで、声を出すようにすると、その一端が、つかめるようになるでしょう。ただし、ここで、とても重要なポイントがあります。ほとんど絶対に守らなければならない、喉を傷める危険をさけるためのポイントですが、喉を使わず、喉にかけずに、お腹から出さなければいけません。さもないと、強く大きくお腹から声を出そうとがんばると、あっというまに喉を傷めてしまいます。もちろん、お腹から声が出せなければ、平気ですが・・・。

そして、お腹がうまくコントロールできるようになれば、喉を使い、喉にかけても、喉を傷めることはありません。

また、声を、ひと息で、ある程度長く出せるようになっていれば、無自覚の場合もありますが、お腹が使えるようになっている証拠です。もし、あなたが、ひと息で、声を長く出せるようになっているのに、お腹を使えているような気がしない場合は、注意深く自分のお腹を観察・感じてあげて、その使い方のメカニズムを自覚するようにするべきでしょう。(♭Ξ)