A.基本はそのフレーズを歌うに当たり、ご自身がどのようにしたいのかをきちんと考えることです。ひとつひとつの音そのものの質ばかりに意識が行ってはいないでしょうか。ある音を美しく響かせたいのであれば、また、ふくらみや勢いをつけたいのであれば、その音の前後のつながりがとても重要になってきます。その前の音が次の音に進みたくなるような音でなければならないのです。音と音の『行間』を埋めてください。今発声している音のことではなく、その先の先の音を意識しましょう。もっと言うのであれば、声を出す前のブレスからそのフレーズ全体を意識していること。そうすれば自ずと息の吸い方、出だしの音量などをコントロールする必要が出てくるはずです。そこを腹筋や呼吸筋などの身体の使い方でカバーしていくのです。よく耳にする『レガート唱法』はまさにこれなのだと思います。歌であっても、セリフであっても大切なのは、その音の質よりも全体を通して何を伝えることが出来るのかということではないのでしょうか。(♯Δ)