発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3873.音に豊かさ、ふくらみ、勢いをつける、根本は何に気をつけるべきか。

A.基本はそのフレーズを歌うに当たり、ご自身がどのようにしたいのかをきちんと考えることです。ひとつひとつの音そのものの質ばかりに意識が行ってはいないでしょうか。ある音を美しく響かせたいのであれば、また、ふくらみや勢いをつけたいのであれば、その音の前後のつながりがとても重要になってきます。その前の音が次の音に進みたくなるような音でなければならないのです。音と音の『行間』を埋めてください。今発声している音のことではなく、その先の先の音を意識しましょう。もっと言うのであれば、声を出す前のブレスからそのフレーズ全体を意識していること。そうすれば自ずと息の吸い方、出だしの音量などをコントロールする必要が出てくるはずです。そこを腹筋や呼吸筋などの身体の使い方でカバーしていくのです。よく耳にする『レガート唱法』はまさにこれなのだと思います。歌であっても、セリフであっても大切なのは、その音の質よりも全体を通して何を伝えることが出来るのかということではないのでしょうか。(♯Δ)