A.口蓋をあげる、舌を下げる、という指導もあるようですが、口蓋や舌にはあまりタッチしないほうが無難です。舌は安静状態のような柔らかく盛り上がってる状態、口蓋もやはり緊張して突っ張ってない状態をよしとすべきです。ようするに、自然な母音を発音できる状態をよしとするということです。とはいえ、奥の空間の感覚は重要で、奥の感覚しだいで喉がブロックされやすく、あるいは、しなやかになります。
イタリア語の Aの感覚は、微笑みの感覚です。こうすると、母音は自然となり、喉頭が非常によいポジションに保ちやすくなります。アタックで口を大きく開けると、奥の空間も離れ過ぎになります。離す、というと離れすぎるひとは、かみ締めない、という言い方に変えてみてください。わからなくなったらペンなどを加えて歌ってみましょう。口をあけるのも、顎を下げるのも、口の奥の空間をあけるのも、アタックと同時、というよりは、徐々にやるといいです。フレーズのはじまりは必然的に柔らかくなります。最高音は、奥の空間がある程度あり、自然な母音を保った状態のとき、もっとも喉頭がしっかりと動くことによって、発声できます。(♭∀)