発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q3941.高音発声へのアプローチ法について(中低音があるレベルまでできているとして)(7)

A.まずは高音を「高い」と思わないことです。高いと意識し過ぎてしまうことで咽頭が上がり、喉を閉絞めたような発声になるからです。もちろん高音を出すときにはある程度の声帯の緊張は必要ですが、不必要に喉の力が入った状態で発声することは非常に危険です。私自身の場合は高音になればなるほど意識を喉から離すようにしています。たとえば、高くなればなるほど「遠い」と考えるのです。また高い音ほど「下」を感じるようにもします。また顔の表情も大切です。高音で苦しいからといって苦しそうな顔をしてしまったのでは、ますます苦しくなってしまい悪循環になってしまいます。眉間がギュッと寄ってしまうと喉も締まってしまいます。頬骨から上が上がる感覚が良いと思います。ここまで高音を出すときの感覚を書きましたが、楽曲の中に出てくる高音、例えば上行形や跳躍進行などがあると思いますが、高音の前からのつながりが大切です。もし楽曲において高音が難しいと感じてしまうのであれば、高音の出し方自体に問題がある以前に、その前の音の作り方にも問題があるかもしれません。ですから一つの高音ばかり練習するのではなく、フレーズ全体を繰り返し練習するほうが近道のような気がします。(Λ