A.様々な見方があるうちのひとつの捉え方ですが、骨格と声帯、それに伴う声質(声の性質という意味で)は素質と言えます。声帯の長さ、太さなど、その形はもともと持って生まれたものであり変えようがないからです。また、一人として同じ形の声帯は存在しません。自分だけの声帯から発する声の質も、持って生まれたものになると考えます。骨格に関しても同様です。
しかしどんなジャンルにしても言えることですが、たとえよい素質を持っていても何もしなければ宝の持ち腐れということです。重要なのは、その素質をどう活かしていくか、どう成長させていくかだと思います。変えることのできない「自分の素質」を受け入れた上で、声の音色や音域の幅を広げる、表現力や音感を磨く、自分の体と存分に向き合って声のポジション、フォームを掴む、などのことは本人の意志と努力で後から身につけることができます。「素質」は変えられないが、「育ち」は自分次第、ということです。(♯α)