発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4036.「カーロミオベン」の歌い方について(3)

A.冒頭はpから始まっていますが、低い音ではないので、弱くし過ぎると歌いにくくなります。恋人に歌いかける歌詞なので、やさしくていねいに歌いかける気持ちを忘れなければ、mfでもだいじょうぶでしょう。また、もしpで歌い始められたとしたら、下降音型が続きますが、すなおにデクレシェンドしてしまうと、これもまた窮屈な歌になってしまいます。自由にダイナミクスを動かしてよいでしょう。14小節目から始まるフレーズは、アッチェルランド(ややテンポアップ)して、逸る気持ちを表現してみるのもよいでしょう。
それに続く16小節目のfは、しっかりと準備をしておかないと、fまでもっていくのがなかなかむずかしいですが、勢いあまってffにはならないように気をつけたほうがよいでしょう。
20
小節目のfとrit.から21小節目のport.pppa tempoは、この曲の中でもっとも表現し甲斐のある部分かもしれません。
25
小節目と26小節目の装飾音(前騨音)は、つい軽視しがちですが、きちんと表現に結びつけられるとよいでしょう。
28
小節目のfとフェルマータとデクレシェンドは、この表記に忠実に歌うのは、高声域の得意なソプラノやテノールにとっては、かなり生理的に辛いものです。3拍目の音に、fとフェルマータとデクレシェンドを丸ごとずらして歌うのも、よいのではないかと思います。(
Ξ