A.暗譜というのは楽譜の総てを覚えて初めて暗譜と言えます。ただ単純に歌詞を覚えただけでは暗譜とはいえないのです。例えばモーツァルトで主要な訳を与えられたときまず始めにおこなうのは歌詞の意味調べからです。約500ページにのぼる歌詞を全て訳するのですからそれだけでも大変な作業です。次に行うのは歌詞を喋るという作業です。イタリア語の語感にそって意味のようにしゃべる。そして音を付ける。そしたらここからが暗譜と言うことになります。暗譜に至るまでの工程が多すぎて気が遠くなりそうですが、ここからが一番厳しい戦いになります。一音一句全ての音符を正確に覚えるとなると相当な時間がかかります。私は勉強ができないタイプの人間なので身体と唇が覚えるまで歌いこむという非常に根気のいる作業をしなければいけません。読んでいるだけで覚えてしまうタイプの人もいらしゃいますが私にはそれができません。常にピアニスト(コレペティ)に頼んで覚えていかなければいけないのでとても苦労します。時間と喉も酷使しますがいろんなことを試した結果これが一番身体にあうのでこのやり方で進めていきたいと思います。(♭Σ)