A.音程、リズムは基本的に忠実に歌うほうがいいですが、意識することは「演技」に集中することです。
「演技」経験が少ない場合、どう説明していいのかは難しいですが、相手役がいる場合は相手役との交流を大事にすること、正面を向いて歌う場合は所謂台詞でいう「独白」に近い状態なので、想像力を大事にすることですね。ただ「台詞」と違って、伴奏やメロディーやリズムがあるので、音楽と歌詞に身を委ねておけば、心情は自然とナビゲートされるので、あまり嗜好を凝らすより音楽の力を信じる方が得策かと思います。
身体的には、「演技」同様、自然に振舞うのが好ましいです。無理にゼスチャーなどをつけるとわざとらしい演技となりやすいので、日常の身体的表現を参考にするといいです。(わざとらしいゼスチャーは日本人のミュージカル俳優の悪い例です。ゼスチャーに頼る歌唱は避けてください。)
また、振り付けで決められてない限り、音楽のテンポ通りに歩くのはNGと思ってください。「動きは日常、声は音楽的に」が粋なミュージカル演技です。
歌詞に関してですが、子音の使い方に工夫が必要になってきます。ミュージカルの場合、歌詞=「台詞」なので効果的に重要な言葉を立てる必要もあります。役の心理を大事に子音の使い方を工夫してください。
振り付けが入った場合、振り付けに合わせてブレスポイントや腹背筋の支えどころを稽古を通して探していく必要があります。困難な場合は、スタッフさんなどとも相談しながら対処していくといいでしょう。(♭Д)