発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4225.これまでのキャリアと無縁に役者に転じました。歌手とは全く違うものなのでしょうか。

 私の思うところの「歌手というのは、劇団員のようにはなれない」とわかってから、今の体制に大きく舵を切ったわけです。そこまではOBや在籍した人にトレーナーを任せてきました。

 生え抜きのトレーナーとプロデュースしたトレーナーとは、一長一短ですが、私は、異質な集団、というかカオス状態にするべき必要を感じました。私自身、多忙で、裸の王様状態になっていたので、いかにここを壊すか、いかに今を離れるかを考えました。

 もともと、我流のブレスヴォイストレーニングということに、こだわっていたのですが、声や歌という表現を取り巻く環境の大きな変化(日本では歌手という入口から、俳優やタレントになります。歌手はシンガーソングライター、アーティストである限り、そのような職名、属性はどのようなものでもいいのですが)と、ヴォイトレの一般化の波にさらされたわけです。

 20代中心の、理想としては、全日制的な体制は10年続けたものの、維持しにくくなりました。外からどう見られようと内に人材がいるのか、育っているのかが、もっとも肝心なことだからです。少なくとも、その踏み台のはずの私が、ヘッドに君臨していることは、よくなかったのです。

 そこにはブレスヴォイストレーニングが、本来も基礎となるものなら、どのような分野や表現とも、他の人々とも融合していく、(つまり、福島式とつけなかった)ブレスヴォイスという名が自由に変化していかないと、という思いもあったのです。

 結果として、今では、試行錯誤しながら、いろんなところと提携し、邦楽から、喉の病気の人まで、それぞれにレッスンを成り立たせています。iPS細胞のように初期化したともいえるのです。つまり、本当の基礎をやると、何であれ、区別する必要はないということです。(Ei)