A.天才的なのか一流なのか、すぐれた人へは、私は、包括的に大きな輪をかぶせるようなアドバイスを一言、二言与えるにとどめます。あとはポイントで指摘できるまで待ちます。
わからない人に何を言ってもわからないし、却って言ったことに囚われ、混乱してしまう。わかる人は言わなくてもわかるのだから、言うだけ意味がない。一流の人は、わかるのには、やるべきことをやって待つべきだということを、体験から知っているからです。
普通の人からみれば、一つずつ細かく直してどんどんうまくしてくれたらよいのにと思うのでしょう。しかし、すぐれているトレーナーは、それができないのです。
たとえば、6点くらいの歌を聴いて、60点くらいにしなくてはいけないとき、どうすれば8点になるか、その後1点、1点というようには考えないのです。カラオケの先生は点数を2点、5点と上げていくすべを知っています。しかし、真のプロを目指す人は、その積み重ねで100点に近づくとしても、100点でもプロの歌にならないのを知っています。するとトレーナーとしては「向いてないよ」か「がんばりなさい」と言うかといったところです。(♭π)