A.パッサッジョにたいするアプローチのし方、捉え方ですが、バリトンは、真ん中のパッサッジョ(高めの中音域)と、高めのパッサッジョ(高音)では捉えかたは違います。同じパッサッジョでも違います。バリトンの場合、ド♯ーミ♭の全音階のあいだにバーを想像してみましょう。このバーとは、棒高跳びのバーのような感じです。この高めの中音域の音は【同じ歌い方】にするようにします。感覚としては口の形、軟口蓋、喉頭の位置をあえて同じにするような感覚です。いっぽう、高めのパッサッジョ、高音ファとファ♯の半音階のあいだには、しかし、こういう線引きの違いというよりは、筋肉の使い方の違いがあります。テノールとソプラノリリコのラーシ♭の半音間に高めのパッサッジョがあることが多いです。この高いパッサッジョからは喉頭がもぐりこもうとするような動きを、妨げてはいけません。そして、この高めのパッサッジョは、非常に単純で、非常にスポーツ的ともいえますね。(♭∀)