A.正直に言うと、自分の理論を捨てることもあります。多くの生徒さんにレッスンさせていただいていると自分のやり方、発声理論に合う生徒さん、合わない生徒さんと出てきます。自分(トレーナー)の今実践している発声法をやっていればいつかうまくいくかもしれない、しかし一回のレッスンを充実させるため、生徒のためにはそれを捨てて別の選択しを与えてあげるのもトレーナーの役割だと思いますし、それだけの引き出しを常にもっておくのもトレーナーとして必要だと思います。
ありがたいことに不器用で歌が下手だった私は色んな先生と知り合うことができ色んなメソードを教わることができました。結果として今の師匠と出会うことになるのですが、ここのレッスンでは過去に教わったメソードも活用してレッスンしています。不思議なことにそれでうまくなっていく生徒さんがいることも事実で自分が過去に受けてきたレッスンもあながち間違っていなかったと思わせられます。
今自分の中心のメソードと違うことを教えるということは実はちょっと複雑な思いのときもあります。これも事実です。
しかしトレーナー業の不思議なところで生徒がよくなるとそれだけで無条件にこちらも幸せな気持ちになることがあるから過去を否定せずにすむのかもしれません。
歌い手として現在進行形の自分とトレーナーとしての自分は同じ人なのですがどこかで違う自分がいるような気すらしてしまいます。☆(♭Σ)