発声と音声表現のQ&Aブログ

ヴォイストレーニング専門の研究所内外の質問と、トレーナーと専門家のQ&Aブログです。 あくまで回答したトレーナーの見解であり、研究所全体での統一見解ではありません。また、目的やレベル、個人差により、必ずしもあなたにあてはまるとは限りません。参考までにしてください。 カテゴリーから入ってみると便利です。 【rf :他に詳しく答えているのがあるので、それを参考にしてくださいという表記です。】 引き続き、ご質問もお待ちしています。できるだけ順次とりあげていきます。

Q4430.役者の声をレッスンするにあたり、気をつけていることは何ですか。

A.役者のレッスンをするにあたり気をつけていることは声の響きの美しさや輝きよりも強さ、深さをへの要求を多くしていることです。
昨今の傾向なのか薄く軽く歌う声楽家が増えてきました。レッスンの結果それがうまくいく生徒もいるでしょう。しかし相手は声楽家ではなく、役者なのです。声をつかうという意味では同じでも職業が違うということ、彼らは台詞の声を鍛えるためにきているのです。結果論として私は声楽家として教えていただいたポジションで声をだしています。しかし私は思うのです、役者は声楽家よりも多種多様の声を要求されると。
声楽家というのは基本的なベースの声は自分のもっている持ち声を基本としそこを磨いていきます。自分の発声のポジションからは出たがらないものです。
しかし役者は声がつぶれていても役とシーンにあっていれば可とされる世界です。鼻腔共鳴や頭声の美しさなどが否定されかねない世界でもあります。そういう世界で生きていくことを目指している方々なのです。
声楽家はおそらく大半のかたが喉を傷めるのを大変恐れていますし、少し調子が悪いと歌わない方が多いです。しかし役者は喉が嗄れていてもしゃべり続けます。
ある種の根性論的なとこが要求される世界でもあります。そのような世界の方々を少しでもよくしていかなければいけないのですから色んな意味での強さが求められます。声そのものも強さがなければいけません。多少の響きの低さよりも芯のある声を作っていかなければと思います。(♭Σ)